何か誤魔化されたような気がするが、その理由がわからないため、追求することには至らなかった。

レイスと栄我の視線はいつの間にか後ろで寝ている春日の方へとそそがれていた。

「春日さっき寝たみたいなんだから、起こすなよ?」

そういうと、ああ、と短い返事が返ってくる。

「珍しいモンみたなぁ」

ポツリと栄我が呟くと、レイスも同意するように頷く。

「……春日が寝ることが?」

その呟きの意味が分からず、希螺は首を傾げる。

普通眠くなったら寝るだろ?と重ねて訊ねかけるが、二人はほぼ同時に苦笑した。

「コイツが真面目に寝てるところを俺は初めて見たね」

「同感だ。いつもは人の気配がすると眠れない癖にな」

「……そうなのか?」

納得しにくいが、二人の表情をみる限り事実のようだった。

春日と知り合ってからの時間は短い。が、レイスたちの言葉からの春日像を希螺は想像できなかった。

「それはそうと、キラ」

レイスが唐突に希螺の方へ顔の向きを変える。