「……もういいけどさ……」

大きくため息をつき肩を落とす。

「一応始めは断ったんだぞ?」

気まずそうにレイスが希螺へと歩み寄ってくる。

「……オレは別にたいちょーが来るのが悪いって言ってる訳じゃねぇよ?たいちょーが仕事ほっぽりだして来るのが悪いと思っていっただけだ」

むくれた表情でそう告げると、レイスではなく栄我がブッと吹き出した。

「ははははっ!!そりゃそうだ!常識のない大人は困るなぁ、キラ」

もっともなことを言われたせいか、レイスは明後日の方に視線を泳がせていた。

「ま、レイスの気持ちもくんでやれ。何せお前は……」

再び頭をポンポンとたたきながら紡ごうとしていた栄我の言葉が途中で止められる。

不思議に思って顔を上げてみると、なんとなく険しい表情をした栄我が見える。

「……栄我……さん?」

呼びかけるとハッとした栄我が希螺の方を見る。

「ああ、わりぃ。まあ、あれだ。お前は久々の新人なんだからよ。な?」