「春日の?」
問い返すと、ああと短く栄我が頷く。
「報告書を提出した途端にいなくなっちまってな、ここにいると聞いて捜しに来たんだよ」
ポケットからたばこを取り出すが、部屋の中が禁煙に設定されていることに気付くと、火をつけないまま口にくわえる。
「ふぅん」
曖昧な言葉を返す希螺。
「おい、栄我!先に行くなと……」
その時、希螺の耳にしったこえが届く。
振り返ると、走ってきたのか、息を切らせて入り口に立つレイスの姿があった。
希螺と目が合うと、息を整えないままににっこりと笑ってみせる。
「たいちょー……仕事は?」
とりあえず訊ねかけるが、レイスのひきつった表情をみる限り、約束は守られていないようである。
「そう怒んないでくれや。レイスには俺がムリヤリ頼んだんだからよ」
ポンポンと頭を軽くたたきながら言葉が降ってくる。
じっと栄我を見据えるが、見据えられた本人は笑みを浮かべたままそれ以上のことをいうつもりはないようである。
問い返すと、ああと短く栄我が頷く。
「報告書を提出した途端にいなくなっちまってな、ここにいると聞いて捜しに来たんだよ」
ポケットからたばこを取り出すが、部屋の中が禁煙に設定されていることに気付くと、火をつけないまま口にくわえる。
「ふぅん」
曖昧な言葉を返す希螺。
「おい、栄我!先に行くなと……」
その時、希螺の耳にしったこえが届く。
振り返ると、走ってきたのか、息を切らせて入り口に立つレイスの姿があった。
希螺と目が合うと、息を整えないままににっこりと笑ってみせる。
「たいちょー……仕事は?」
とりあえず訊ねかけるが、レイスのひきつった表情をみる限り、約束は守られていないようである。
「そう怒んないでくれや。レイスには俺がムリヤリ頼んだんだからよ」
ポンポンと頭を軽くたたきながら言葉が降ってくる。
じっと栄我を見据えるが、見据えられた本人は笑みを浮かべたままそれ以上のことをいうつもりはないようである。


