「そうか?……そういえば一週間くらいまともに寝てないせいかもな」

自分の最近を振り返ったのかやけに冷静に分析を始める。

それをもう一度頭をはたくことで止めさせる。

「バカだろ、お前実は」

「何でだ?」

頭を押さえてなおも不思議そうな顔をする春日を見て、大きくため息をつく希螺。

そして春日の頭をつかみ、ベッドへ押し付ける。

「ここにこれたんなら時間があるんだろ。どうせだから少し寝てけ」

「いや……それが……」

「まさか、オレがいったこと、破ってない、よな?」

言葉を濁そうとする春日に満面の笑みで訊ねかけると、そろそろと視線をそらされる。

希螺が体力回復のためこの医療区画に来てからというもの、はじめの頃は新しく仲間となった者たちが入れ代わるように毎日顔を出してくれていた。

はじめの頃は不安なこともあって、それが純粋に嬉しかった。

しかし

それに疑問を感じ始めたのはすぐのことだった。