目が覚めてから１ヶ月。

ようやく体力が完全なものとなった希螺の元に春日が会いに来た。

「久しぶりだな」

病室のような部屋に来た春日を希螺は笑顔で迎えるが、春日の顔色をみた途端それを引っ込めた。

「お前……大丈夫か？」

心配そうに訊ねかけるが本人は気がついていないようである。

「何がだ？」

不思議そうな問い返しが返ってくる。

「……いや！何がだ？じゃねーよ！顔色真っ青だっつうの！」

一瞬呆気にとられるが、首を大きく左右に振りながら春日の頭を軽くはたく。

この１ヶ月の間に一番驚いたのは、春日が自分と同い年と言うことだった。

驚いて確認してみると逆に憮然とした表情で、不本意だと告げられた。

初めにあった時が白衣姿だったせいだと思うのだが、第一印象の思いこみというのはあてにならないものである。