空は灰色がかりながらも青く
どこまでも続いている

「おい!
キラ!お前またさぼるつもりかよ!」

「ああ!
あと頼むな~」

教室から、授業終了の鐘とともに飛び出した少年は、友人にサワヤカな笑顔を送りながら、大きく手を振ると、廊下を走り去っていった。

「カノン!
おまえら同じ施設だろ?あれ、どうにかなんないのかよ」

「トール、無理なこといわないで」

机の上にドカッと座り、箒をもて遊び憮然とした表情で不平を漏らす透に同じ箒を持ちながら真面目に掃除をしていた少女ーー華音は床を掃く手を止め、溜め息混じりに、だがきっぱりと言い放った。

「なんでだよ」

「あのねぇ。
同じ施設だからってみんながみんな仲良しなワケじゃないの。私はほとんどキラとは話さないし、向こうもあんまり親しい友達もいないみたいだし……
とにかく! 私が同じ施設だからとか、家族同然な立場だからとかいう理由で、彼にあれこれと言えないの」

華音はほとんど息継ぎをしないような勢いで、まくしたてると、止めていた手をもう一度動かし始める。

それを聞いて、透はふぅん、と微妙な相づちをうち、視線を外へと移す。