そしてベットに横になろうと立ち上がった時だった。

大きなエンジン音が辺りに響き渡り、家の近くで停まった。


一瞬、ドキリとする。


まさか、ね。
きっと宅急便か何かだろう。


そう思いつつ、確率が低いであろう事は分かっていた。


そんなに都合良く宅急便が家の近くに、スタッフが来る時間に来る訳がない。


でもそうとでも思っていなければ、冷静さを保てなくなりそうで恐かった。


今はただ来ない事を祈るしかない。


――ピンポーン


その願いは呆気なく散った。


今まで保っていたモノは無残に崩れ落ちる。