私は凍り付いたまま暫く動けなかった。


耳に心臓がついているようだ。


心臓がドクドクと耳の中で反響する。


落ちつけ、落ちつくんだ私。


よく考えてみれば住所も何も教えてないのに、この家の場所なんか分かるはずがないんだ。


そうだ、これはただのドッキリだ。


まったく、心臓に悪いもの作るよね……。


徐々に心音もいつものリズムを取り戻していった。


大丈夫。これはただの悪戯だったんだ。


何度も何度も、自分に言い聞かせた。