日が西の空に傾き始め、青かった空を茜色に染めていく。まだ六月だというのに、昼間の暑さが少し残っている。

そんな帰り道、千夏が口を開いた。


「果歩、岡田くんと何話してたの?」
「何って……パンもらっただけだよ」


はあ、と溜め息をつく千夏。あたしの答えに満足がいかないようだ。
でも仕方ない。本当にただそれだけだったのだから。

あの後、岡田くんはあたしがあげたメロンパンの半分を受け取ると、ちょうど千夏と入れ替わりで校舎に戻っていってしまった。

パンを食べてる間だって焼きそばパンの話しかしなかったし。パンの焼き具合がいいとか、ソースが絶品だとか、そんな話。