「理玖。どうしてここに?」
「ん? 守崎から聞いた」


理玖はあたしの隣まで歩いてきて、へへっと笑った。
守崎っていうのは、千夏のこと。きっと、鞄を取りに教室に行った時会ったのだろう。

呆然とするあたしの隣で、気持ちよさそうに風に当たる理玖。
黒い短髪が風に揺れている。
あたしは、理玖の横顔を見つめた。
骨格のしっかりした顔、ぼこっと出た喉仏、肩幅の広い背中。

あたしより低かった身長は、今では少し見上げる程になっていた。
小さい頃の面影はあるものの、大人の男の人みたい。


男の子ってこんなに早く成長しちゃうんだね……。


「何? じーっと見ちゃって」


あたしの視線に気付いて顔を近付けてくる。もう、鼻と鼻がぶつかりそうな距離まで。
いくら幼なじみといっても、あたしは少し後退りをした。


「り、理玖?」