静かな教室にひたすら文字を書く鉛筆の音とプリントを裏返す音が響く。カチ、カチ、という時計の針の音すらもはっきり聞こえる。
今は、数学の小テストの時間。このために急いで学校に来たと言っても過言ではない授業だ。

だけど、理玖には悪いけどあたし……テスト全く分かんない。一生懸命自転車こいでくれたけど、分かんないよ。
理玖が放課後付き合ってなんて言うから集中できないし。っていうのは言い訳かもしれないけど、半分本当。


「はい、終わり。点数が半分以下のやつは今日の放課後補習するからな」


はい? マジですか? 点数半分以下は補習って、半分も解けてないあたしは確実ですか?

回収された答案を未練がましく見つめ、溜め息をつく。あたしは理玖に確実に補習だと伝え、また日を改めてもらうことにした。

あーあ、あたし何やってるんだろう?