君=月&海 〜貴方はそんな人でした〜

スタッ、スタッ、スタッ。


「体育館、教えて。」

私は桜の木の後ろにいた男の前に立つと言った。


「チッ何で目の前に来てるんだよ、女相手にしてる暇はねぇ。帰れ。」


「私だって、貴方に構ってる時間はないの。
さっさと答えて。」


「……てめぇ、一年か。
体育館は向こうだ。行け。」

男は一瞬わたしを見て固まったけど、それは一瞬で、また目を下に向けた。

「…ありがとう。ねぇ、何で一年だって分かったの?」


私、そんなに童顔かな?