キュッと携帯を強く握り、視線を夜景に変える。

さっきより輝いて見えるのは何故かわからないけれど。







「なぁ龍」


『なんすかっ?』


「明日帰るから、大人しく待っといてな」


『はいっ!!!』






明日龍と会ったら、たくさん構ってあげよ。

バイクの後ろにも乗せてあげよかな。






「ほなね」


『はいっ!!!声聞けてよかったっす!!!』


「うちも」







プッとボタンを押して、携帯をポケットにしまう。

そして夜景から視線を変えて、私も売店へ歩き出した。




表情は、誰にも見せないような笑顔で。






普通の高校生は今日で終わり。

明日からはまた、白虎の総長として生きていく。






やっぱり私は不良が似合う。








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