「あん?」







ふと呟いた瞬間に、真横から聞こえてきた不機嫌な声。

恐る恐る視線を変えると、目をギラつかせている龍がいて。



今の聞こえた、やんな?







「なんすか彼氏って、誰と付き合おうとしてんすか」


「違うって、いいなぁーって思っただけ」


「怪しい、絶対怪しい」


「ちょっ…蓮助けて!!!」


「頑張って下さい」






ジリジリと龍に詰め寄られ、最終的には壁に追いやられる形に。

お陰で私の視界は龍一色。




しかも頑張って下さいって何?!

総長を助けようとか思わんのか色ボケくんは!!!






「龍くん、うちなんか歌って欲しいなー」


「誤魔化そうとしてんのバレバレっすよ」


「……………」






いつから龍はこんなに頭が良くなったのだろうか。

昔はあんなに可愛かったのに。



それともうちが嘘下手?






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