「お前っ!!!せっかく俺が抱き締めたろうと…!!!」


「何が悲しくて寿にそんなんされなあかんねん」


「なにをー!!!」


「あ、てかさ」






ガサガサと大きな鞄を探しながら、ふと思い出す。

悠介と喧嘩って言ってたやんな?







「なんか意外、悠介って喧嘩とかしなさそうやのに」


「ん?」


「だってそんな風に見えへん」







なんかフワフワしてるし、脳天気にしか見えへん。

そんなん言ったら怒られそうやけど。











「でもアイツ、元々…―」












「―え?」









寿の言葉に探していた手を止める。

何度も頭の中でリピートされて。







悠介、が?






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