瞬間、男の叫び声が聞こえる。
発狂させたのは間違いなく私で。
一応止めた英寿くんは笑っていた。
「汚い手で触ろうとすんなアホ」
手には先程まで雄大くんが飲んでいたビール瓶。
足元には頭から血を流す男とビール瓶の破片で。
大体せっかく旅行来て楽しかったのに。
雰囲気ぶち壊すなっつーの。
それと普通の女の子じゃなくてごめんな。
「な、なんやねんこいつら」
「俺らの名前教えたろか?」
「へ?」
完全に青ざめる男達に、雄大くんは笑顔を向ける。
私は目の前で倒れる男をズリズリと引きずって歩いていて。
「森高雄大」
「…え?」
「和泉英寿」
「う、嘘やろ」
「で、お前らが連れて行こうとして今お友達を引きずってんのは華風ゆい」
「まじ…すか」
男と目が合って、頭を傾げる。
ん?なに?
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