目の前には龍の真剣な顔。
海水で濡れた金髪は、太陽の光でキラキラと輝いていて。
「俺、もう遠慮しないっすから」
「え?」
「今まであの人がおったから俺も大人しくしてたけど、卒業した今はもう関係ないですし」
「あの人?」
「俺は舎弟以前に男ですから」
遠慮って何を?
あの人って誰?
疑問に思ったけど、深くは追求出来なかった。
だって私の目に写る龍が知らない人に見えたから。
私は何かを忘れている気がする。
でもそれは、無意識で忘れたのか無理矢理忘れたのか分からない。
「覚悟、しといて下さい」
そういう龍の顔は、いつもの笑顔に戻っていて。
私は小さく頷いた。
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