当然私と尚輝くんの手は離れたのだけれど。

まともにチョップを食らったのは私の手で。



あいたた。

マジでやりよったし。






「悪いけど、触れるの止めてもらえませんかね」





そう言い、龍は座り込んで私を後ろから抱きかかえる。

必然的に私と尚輝くんの距離は空いて。







「あ、もしかして彼氏?」


「ゲホッ!!!…ちゃ、ちゃうけど」


「じゃあいいやん、俺とゆいちゃん友達なったし」


「友達?ああん?」


「…龍お願いやから落ち着いて」






見下ろされ、視線を感じ私も視線を下にして。



ってかなんでうちが怒られてるんですか。

ってかチョップの手まだ痛いんすけど。

てか龍苦しいんやけど。






「あ、そろそろ俺検診やわ」


「話はまだ終わってないぞ」


「うん、ほなバイバイ」


「はぁ?!」






タバコを灰皿に捨て、龍の言葉を無視する。

そしてまたね、と言われ尚輝くんは屋上から下りていった。





ま、マイペース。

ってか話聞いてる?







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