「とりあえず、その危険な木刀を捨てて」






絵里が指差すのは、手に持つ白い木刀。

仕方なく木刀を地面に投げ捨てる。



ここからじゃ手が届かない木刀。

とりあえず今は絵里の言うことを聞かなければ。






「次は、土下座」


「は?」


「土下座、聞こえへんかったー?」








土下座って。

土下座?



まさかの命令に躊躇する。

だって絵里に対して土下座なんて。







「ゆい!!!そんなんしなくていいから!!!」








紫織の泣きそうな声が耳に入る。

顔を見れば必死に首を振っていて。






プライドなんて今は必要ない。

それが例え絵里に対しての屈辱でも。







膝と手を地面につける。

そのままゆっくりと体を低くして。






屈辱で手が震えた。








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