山道の手前でバイクを止める。

ライトが消えると辺り一面真っ暗。





月と星だけが辺りを照らして。






田んぼと田んぼの間の道。

その砂利道をザクザクと歩く。







二度と此処に来ることはないと思っていた。

でも私は今、此処にいる。

大事な存在を守る為に。






白虎が描かれた特攻服が揺れる。

木刀を手に持ち、肩に担いだ。











「案外早かったね」









見下し、笑いかける女は吸っていたタバコを地面に落とす。

それを私は無表情のまま見つめて。







「オトシマエ、つけてもらうで」








大嫌いな星空。

でも今日、今日だけは。






力を貸して下さい。








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