『結構可愛いやん』 羽交い締めされ、ワゴン車に乗せられた映像が頭をよぎる。 それを消す為に頭を強く振った。 腕を掴まれた感覚がする。 誰も隣にいないのに。 「………………」 近付く、田舎道。 見えて来る田んぼ。 三年と半年ぶり。 『ごちそうさま』 あんな思いを紫織にさせない、絶対に。 大事な親友は私が守る。 体が震えてくる。 きっと私はこの場所を拒否している。 「紫織っ…!!!」 待ってて、直ぐ行くから。 絶対助けるから。 待ってて。 .