絵里の考えている事は、ある程度想像がつく。 きっと私に負けたから悔しいんだと思う。 負けて、そんな私が白虎に入っていて。 だから力をつけて帰って来た。 「憎しみの連鎖、か」 「え?」 「ううん、なんでも」 紫織に笑顔を向けて、再びゆっくり歩く。 絵里には忠告したけど、あの子が言うことを聞くかは分からない。 本当は何もしないで欲しいんやけど。 過去では親友やったのに。 「ほなまた明日ねーっ」 「バイバイ」 手を振って、駅に入って行く紫織を見送る。 今日は歩いて帰ろっかな。 .