─佐久間さんには言わなきゃ─ 「でも… 「俺さ」 私の声と佐久間さんの真剣な声が被さる。 「俺、麻梨ちゃんが好き、、、なんだ」 飲みかけた梅酒の入ったグラスをそっと置く。 真剣な声の佐久間さんは、あの目をしていた。 切ないような、悲しいような、あの目を。 言おうと思っていた言葉は、宙ぶらりんのまま着地点を失っていた。 「良かったら、付き合わない…?」 あの目を、無理に人懐っこい笑顔に変えようとしてる佐久間さんに言わなきゃいけない言葉は、一つしかないのかもしれない。