先程、紅美が掛けた電話の相手は真咲 浬…波音の兄だったーーー
電話をきった浬は紅美の様子から思わしく無い状況なのが伺え、席を立ち隣の部屋に続く扉を開けた…
『すまないが、外出する‥至急、車を頼む!』
『ハイ‥畏まりました。』
浬の秘書‥東条が電話を取り手配した。
向かいの席の村瀬が立ち上がり浬の後を追った。
『専務!何か有ったのですか?』
『あぁ‥今からwonderに行く!悪いが急ぐ!話しは車で‥』
『分かりました。』
二人は役員用のエレベーターで駐車場まで降りると…既に車のドアを開け運転手が待っていた。
車に乗ると、助手席の村瀬が運転手に急いでwonderまで行ってくれと告げたーー
重苦しい空気の車内ーーー村瀬が話しを切り出した。
