私も面接の時間が迫り、移動の指示を受けると佐野サンがスーット前に現れ2階上にある面接会場まで運んでくれた。
面接が終わったら、此処に座って待って居るようにと言って佐野は戻って行った。
緊張しながらも何とか面接を終えて部屋を出る。
波音は佐野に言われた通り邪魔にならないように1番端の椅子に座った…
不意に名前を呼ばれたーー
『まーさーきーさん!!』
聞き覚えのあるこの声ーー無意識に強張る身体ーーー
ゆっくりと声のした方に顔を上げるとーーー綵名が冷めた眼をして笑っていた…
見た瞬間、波音の身体は震えだした…
身体は益々、強張り視線すら反らせずに固まっていた。
そんな波音を嘲笑うように見ながらーーー
『お久しぶりね〜?真咲家の波音お嬢さま〜』
『……』
『アッ!dealの社長令嬢、波音様だったかしら?』
『ヤッ‥止めて!!』
綵名がわざと大声で波音を呼んだ事でその場に居た人の視線が二人に向けられた。
真咲?ーーー
deal?ーーー
社長令嬢?ーーー
ざわめきと視線から逃れようと立ち上がる波音、それを逃がすまいと腕を掴んだ綵名…
