休憩終了と共に会場に数名の社員が入って来ると、面接までの流れを説明した。
面接は名前順で行われる為に莉奈が面接会場に移動する…
『行ってきます!』
『頑張ってネッ!!』
ニッコリ微笑んで、莉奈は会場を出て行った。
面接を終えて、部屋から出た莉奈はある人物を視点に捉え思わず足を止めた‥
そこには、二度と顔も見たく無い女ーーー波音を傷付けた憎い女ーーー佐伯綵名が莉奈を睨みつけていた。
歩を進め、すれ違い様に不気味にニヤリと笑う綵名…
莉奈は嫌な胸のざわつきを感じながら、考えていた…
波音にこの試験会場に綵名が居る事を教えるべきか‥
しかし教えた事によって、これから面接を控えている波音を動揺させてしまうかもしれない…
不安な気持ちのまま面接なんて受けさせたくないと思い伝えない事にした。
この後、莉奈はこの時の事を酷く後悔する…
あの時に波音に話していたらーーーあんな事は起こらなかったかもしれないーー
