lose faith



会場を出てエレベーターホールの片隅に椅子が用意されていて、側に先程、佐野サンを呼んだ人が立っていた‥


ゆっくり波音を椅子に降ろすと…


『コイツ!同僚の湯瀬ネッ』

『湿布‥替えようねっ!』

と言い湯瀬サンは手際よく包帯を解き湿布を張り替えてくれた。


『腫れて熱もってる‥痛いだろ?』


『湿布がヒンヤリ気持ち良いです‥』


ムリすんなと苦笑いされた。

『思ったより酷いなぁ‥』
湯瀬サンが佐野サンに向かって言った‥


『あの‥大丈夫ですから‥』


『全然、大丈夫なんかじゃないよ!!』


湯瀬サンがそう言った後、何やら二人で話始め…


じゃーそう言う事で後は宜しく〜と言って波音の前に屈むと‥


『戻ろうっか?』


『ハイ‥』


抱き上げられた波音に向かって湯瀬が‥


『面接、頑張れよ!!四月に待ってるからなっ!!』


そう言ってから戻って行った。


『湯瀬のヤツ言ってくれるねぇ〜』


佐野サンの顔を見る…フッと笑ってから‥

『早くもライバル登場かぁ‥』

『んっ??』


佐野の呟いた言葉は波音には何の事か解らなかった…