沙羅の家に行ってスッキリしたものの私は翔ちゃんに会うのが怖かった。


会えば、美和さんのことを聞きたくなる。


聞けばきっとまた落ち込むに決まってる。


だってまだ気持ちをぶつける勇気が出来ない今の状態じゃ、何も解決する力もないんだもん。



次の日、預かった名刺はおじさんに渡した。


あの名刺の裏には走り書きした美和さんの携帯電話の番号。


きっと翔ちゃんは研修会から帰ったら美和さんに電話するんだ。


そして私の知らない翔ちゃんと美和さんの時間が流れる。


当たり前のことだけど、私にとっては苦しいこと。


電話が済んだって、帰国パーティーで顔も会わす。


美和さんが元カノかどうかの確認はしてないけど、どっちにしたってあの綺麗な大人の女性と翔ちゃんは会うんだ。



自分でも不思議なくらい黒いモヤが気持ちを覆った。


嫉妬というイヤなモヤが・・・