『ご迷惑をおかけして本当にすみませんでした!!』
夕方、事務所の社長室を訪れていた。
くの字に曲げた身体の前には志乃さん。
何で社長室に志乃さんが我が物顔でいるのかは深くつっこまないで……。
「で、何か歌詞にしたいことは見つかったの?」
『えっ、あ、はい』
意外な切り返しに言葉につまりながら返事をする。
「じゃあ、こんなところで海老の真似なんかしてないで、さっさと書きなさい。
隣の部屋貸してあげるから」
『ハイッ!!』
お説教染みた口調とは裏腹に、志乃さんの口元が緩んでいるのを見て今度は元気よく返事をした。

