『でも……』


「“でも……”じゃありません。

……今日はもういいわ、お家に帰りなさい」


思案顔で言う志乃さんだったが、激しく動揺している私の目には見えていない。


呆れられた……。


そんな焦りが焦りを呼んで、


『僕、まだやれます!!』


と、うそぶいてしまう。



意地があった。

プライドがあった。

アイドルとして、紅月光として……。