コンコンッ。 『……あっ、はい。 どうぞっ』 ノックの音が聞こえて顔を引き締めた。 笑顔、笑顔。 悲しい顔して取材を受けたら、雑誌の内容も悲しくなっちゃうよね。 そしたらきっとそれを見たファンの子たちも悲しくなっちゃう。 そんなの嫌だ。 「失礼します」 「こんにちは」 志乃さんに連れられて入ってきた出版者の人に微笑む。