だ、ダメって何で!?
自分から呼んだくせに!!
禁じられれば禁じられるほど、禁を破ってみたくなる。
それが人間という生き物だ。
私のとった行動、すなわち……。
『いいもん、勝手に入るから!!』
ドアを蹴破るような勢いで……ではなく、静かに足を踏み入れた。
気分的には扉に八つ当たりしたかったが、設定上のドアは実際ここには存在しない。
有りもしないドアを蹴破るふりをするのは難しい上、下手をすると滑稽に見える。
大人しくするより仕方なかったのだ。
そのまま歩みを進め、紫水の目の前で足を止めた。
椅子に座る紫水を上から見下ろす。
反応はない。
紫水がうつむき加減な姿勢をとっているせいで、その表情も見えない。
だからと言って素直に膝を折れば、相手の思惑どおりに動かされているようで癪だ。
結果、そのまま食い入るように見つめていた。

