「フ、フーリオ……!」

 誤解されないほうがおかしい状況に、バシバシとルベルの胸を叩く。

 すると、困ったように笑いながら離してくれた。けれどそう、問題はここからだ。

 その1、外に出てしまった言い訳。その2、この状況。どちらも私の言葉では上手く説明出来るとは到底思えなくて、頭をもたげる。


「ん、どちら様? オレたちの邪魔はして欲しくないんだけど?」

 ふざけるようにするルベルに、今度は笑ってもいられなく、左足を思い切り踏んでやった。

 ますます怖くなるフーリオの表情に、それに反比例して楽しそうになるルベルの表情。

 ああ、もうどうしていいか分からなくなる。


「あのね、フーリオ。これは完璧な誤解で――」

「ルベル……何故お前がここにいる? 殺されたいのか」

 必死に言い訳をしようと試みる私を通り越してフーリオが言葉を投げかけたのは、まさかのルベルへ。

 二人は知り合いなの? 睨み合う二人の間には、入れそうにない。


 ……とりあえず、縮こまっておこう。