さらりと流れる銀色の髪。そこから覗く両耳は、ツンッと上へ伸びている。私が黙りこくっているのを見かねてか、フーリオは遠慮がちに口を開いた。
「やっぱり、こんな姿の奴と一緒にいたくないか? 大丈夫、嫌がられるのは慣れて――」
「すっごい素敵です! なんで隠してたんですか!?」
彼は何を勘違いしているのだろうか。綺麗な髪色に、エルフのような耳。けなす要素など何一つない。
興奮したように声を荒げれば、暫く目を見開いていた彼は困ったように笑い声を上げた。
「ハハハッ、やっぱり……キミは変わってる」
「そりゃあ、どーも」
拗ねたように口を尖らせれば、彼は己の髪をくしゃっと掻き上げ、ストンッとソファに腰を下ろす。
今までの緊迫した雰囲気はどこへやら。打って変わって明るくなった彼が、何だか可愛らしく見えた。
