キミのいる世界で


「そんなこと言ってないで、まずはそのローブを脱ぎましょうよ!」

 背伸びをしなければ届かない、彼の頭上へと手を伸ばそうとすると――。怯えるようにして飛び退き、フードを深く被りなおしてしまうフーリオ。

 さすがにまずかったかもしれない。

 バツ悪そうにしているフーリオの様子を見つめながら、こちらも何を言っていいか分からなくなってしまった。


「す、すまない。オレは――」

「あ、いいのいいの! こっちこそごめんなさい。服、選んじゃいましょ?」

 後に続く言葉を言わせたくなくて、遮るようにして言葉をかぶせれば、先程と変わらないやんわりとした笑みを浮かべるフーリオ。

 あまりにも深く突っ込みすぎたと反省しながら、急いで服を選ぶことに専念した。



 自分が普段着ない服と言われると、中々選べないものだ。

 いつものように、地味で目立たない服ならまだしも。露出が高かったり、派手な女の子が着てそうな服というと躊躇してしまう。

 沢山並べられた服を前に云々と唸っていると、いつのまにか後ろにいたフーリオが私の肩を叩いた。