「きー、つ、づっ!何よあの子!何で連れてきた!」
「うぅっ……!だってまさかあんな風にカミングアウトされると思わなかったんだもん」



でも悪い子じゃないんだよ?と、冷蔵庫から冷えたオレンジジュースを取り出してコップに注ぐ季都々を下から睨み上げ、ガサゴソと戸棚を物色する。


出てきたきのこの山とホームパイをテーブルに放ってため息吐いた。



「ご、ごめんね……ことりちゃん」
「もういいわ、それより趣旨を勉強に戻さなくちゃ」
「そうだね、部屋で明日早ちゃんに押されてるあみちゃんが容易に想像できちゃうや」



あーあ、と苦笑いする季都々に「あんたのせいでしょ」と頭をぺちり。



二階にある私の部屋に置き去りにしてきた二人が、黙々と勉強しているとは思えないし、ややこしい話になる前に戻らなくちゃ。



明日木さんには悪いけれど、協力はできないし、そういう理由で季都々に、……あみ空に近付いてきたというのなら、仲良くするつもりは毛頭ないわ。


季都々もあみ空も、もう二度と泣かせるもんですか!