「きっと気づいてるわよ。アンタんとこの委員長さんと、生徒会長の……まぁ、橘先輩、と、あと、私と季都々はもちろん、瀬木先生ご本人が一番、ね」 そうだろうか。 そう、なのだろうか。 私が、あの人を、まだ、好きなのだというのを、気づかれているのだろうか。 橘先輩の名前を出すときだけ、少し口ごもった荒島が可愛らしい。 「気付いてないのはあの3馬鹿だけだわ」 渇いた喉は呼吸の度にカラカラと鳴いているようで、コップの中の氷がそれに混ざって崩れた。