「このTシャツ気に入ってたんに…」

ソファーに腰かけた彼が、汚れたTシャツをひっばった


「着替える?それ、血…でしょ?」


男物はないけど…ジャージがある。ジャージって伸びるよね、着れるかな


「まじすか」


リクはシャツの上に乾いて固まった血を触り、『ソファー汚しちまうかぁ』とつぶやいた。

そんな彼を見ながら、少し迷いながら、自分の中に浮かんだ考えを口にする



「お風呂、使う?」



リクの瞳が1.5倍に大きくなったようだった


「なっ」

「な?」

「やさしーね」

「………、若干無防備?」

「うん、でも今の俺にはね、ちょーラッキー」





ざああああ





彼がシャワールームに入って、水音が響いた。近隣の迷惑になりかねないので基本的にはこんな時間に入らないんだけど



ジャアアアア
『きもちいー!超きもちいー!』


どうしよう。変なやつ家にあげちゃった…
机に伏せて、目を瞑る。

おとーさんおかーさんごめんなさい。みさきは思慮が浅い一人暮らしライフを送っています