「リク。」

「18歳。」

「高校生。」

「8月10日。」

「群馬」








みにくい獣の子
第2話










「群馬出身なの?」

「馬が群れてますー」

「いや、特にそんなの聞いてないよ」

「群馬サファリパークは馬のみですー」

「怒るよ」



彼を家にあげてから30分。

彼への質疑応答を巡って、彼の動向を探っていた。きっと私へ危害を加えるつもりはないのだろう、それは見て取れた。


ていうかこいつ、外人かよ



「じゃあ趣味、特技は」

だんだん面接みたいになってきた


「料理っす」

「ほー?」

「…自分で言うのもアレっすけど、プロいっす、やばいっす」

「何この人」

「も、聞きたいことないん?」




彼…リクという名の青年が私を促すように首をかしげた。
すごく柔らかい表情をした男の子だと思った。


「…、随分落ち着いちゃったね」

「ん、…、そうかなー?」


「怪我もしてるみたいだし…今日だけはこのまま居てもいいよ」

「!」

「でも、今日だけだよ」

「マジ?」

「今日だけだからね」




ぐぅうう

「………」