「…」
「…」
長い前髪に隠れて、リクの表情は見えない。数秒間の沈黙のあと、気まずい静寂を破ったのは私だった。
「…とりあえず、さ」
「……」
「お茶でも飲んで落ち着こう、で、…話そ?」
言うと、私を押し倒したままの彼は戸惑いながらも小さく頷いた。
「…みさき、さん」
「なに?」
「セクハラ しまーす。」
リクの額が私の肩に乗り、腕は私の腰に回った。
そのシンプルな動きはすとん、と私の中に落ちた
fever of
mankind
いつかと同じような、体の暖め合い
前よりも強く、前よりも壊れそうな力が私を包み込む

