『もっと、彼のこと知りたいって思いませんか?』


変化球だった。私は受話器を耳に当てたままベッドの上で座り直し、息を少し吐く。


「と、言うと?」

『リクはみさきさんをとても気に入っているみたいなので、むしろ貴方に知られることを嫌がるかもしれない。でも、僕は貴方にこそ知って欲しいことがあるんです』


彼の言葉には茶化すような響きは全くなく、本当に伝えようとしていると感じられた。


「よく分からないんだけど…リクに関して私が知らない事実があって、貴方は私に知って欲しい、と」

『勿論貴女が、リクを好きでいることが前提ですけど』

「じゃあ、聞きたいです」

『リクのこと好きなんですか?』


確認された。
それって恋愛対象として?とかそういう疑問が無いわけではない。しかし、私は気持ちがどうのこうのとか言うより、素直にリクのことを知りたいと感じた。

今「好きか?」と訊かれて、私の答えは一つだった。



「好きじゃなきゃ、一緒に暮らせないと思わない?」

『…それもそうですね。じゃあ』








U should meet him.
貴方はどこまでリクを受け入れられますか