「…いいお友達だね」

「はは、あいつ俺のこと大好きなんよー」

「学校ちゃんと行きなよ?友達に留年の心配なんてさせちゃダメでしょ」

「はーい。少なくとも明日はちゃんと行く」


ノートを指の上で器用に回し、ソファに座った。


「明日は祐の家に泊まってくっかな」

「へえ、あの子も一人暮らし?」

「いや家族暮らし」

「じゃあ賑やかだね」

「まあなー」


彼はノートを捲り始め、慣れたように指で頭をコツコツ叩いた


「今からだとー…、3時間ってとこかねー」

「覚えるの?」

「覚えるのー。」


目は完全にノートに釘付けだった。前から思っていたけど、彼はきっと勉強ができるタイプなのだろう。

見た目は軽くヤンキーだけど、さっきの友人を見る限りでは「ワル」の印象を受けなかった。てゆうか友達いたんだ。学校でも人気ありそうだし…少し安心した。



「みさきさん、コーラある?」

「は?ないと思うけど…」

「勉強のお供はコーラに決まってるしー。もぉ、知らんの?」


なんか頭悪そうなコト言い出した。しかたない。ちょうど欲しいモノあったし…


「コンビニ行ってくるよ」

「わーい俺も行く」

「勉強するんじゃないのか…」

「何言ってんの、この丈夫な頭には誰も敵わないっ」

「…はいはい」


顔を覗き込んでくる青年を押し返した。キラキラした目が嬉しそうに瞬いている

『彼女』

まあ、フツーそう思うか…。あの祐って子も何も言わなかったけどビックリしてたみたいだし。


「コーラの炭酸で一気に100点目指しちゃう!」

「ああ頭悪そー」

「やん、何てこと言うんなァ」