「おう、いつも悪いな」

「クラスの女子もリクが来ないからふて腐れてますよ。年上の彼女がいるなんて聞いたら卒倒するでしょうね」


彼はカバンの中をごそごそしながら独り言のように呟いた。


「祐ー、このひと彼女じゃないのー」

「え?」

「うん。」



彼は私を見てリクを見て、少し考えるような素振りを見せながら頷いた。


「…あと、体の健康にも気をつけて」

「どうもォ。明日の夜おごるわ」

「ははっ、お財布の紐は完全に緩めて来てくださいね」


リクはにっこり笑って手を振った


「学校のやつにこの家教えないでねー」

「僕がそんなことするわけないでしょう?」


彼は私と目を合わせて軽く会釈した。


「改めて…僕は三上祐という者です。リクをよろしくお願いしますね」

ばたん