それなりに、ここを動きたくない理由はある。

ここは自分にとって暖かくて、美味くて、気持ちいい場所。

もう、甘えるとかそんなレベルじゃなくて



ひどく、安心する。



「みさきさんみさきさん、キャベツ買ってきて欲しい」


今日の晩飯は回鍋肉にしよう。


「ちょっとぐらい外出なさいよ」

「え?」


いつも繰り返す会話の突然にみさきさんに怒られ、目をパチパチさせた


「学校が休みだかなんだか知らないけど最近引きこもりすぎ!太るよ!」

「俺、太ったことねーんだけど…」

「じゃあ今回が初めての肥満に繋がるかもしれないでしょ!」











みにくい獣の子
第7話










ぎゃーぎゃー騒ぐみさきさんは実はとても買い物に行きたかったらしい。俺は彼女の荷物持ちに抜擢されたのだ



「本屋行こうや」

「やだ。服を先に見に行きます」

「あ、みさきさんに似合う下着、をっ」
「変態」