低くて鈍い音がした気がして、玄関を見る。

「なんだ、こんな時間に…?」


ぴんぽん、



ドアベルが鳴った。え、本当に誰かいたのか。誰だ…

のぞき穴を覗くと、お隣に住む年齢不詳のやさしいオジサンだった。どうしたんだろう、こんな時間に





「山岡さーん、お友達が倒れてますよー、いないんですかー」

「あ、いますいます、すいませーん」


ドアを開けると、オジサンはお大事にね、と笑って隣の家に入った。

足元に目を落とせば、赤い髪が目に入った

…男?


「誰?」

こんな人、見たことない。なんでここで寝てんの?
とりあえず起こそうと、肩を叩く

「もしもし…、…!?」




うぅ、と小さく呻いた男のTシャツの柄の一部がプリントじゃなく、血液のように見える。

さあっと自分が青ざめたのが分かった



「ちょ、大丈夫ですか…!?」


何?なんで?なんで?ケンカしたの?怖いよ!
ていうか意識飛んでるって…死にそうになってんじゃないの!?



「どうしよう、どうしよ…そだ、救急車!」


携帯電話を部屋に置いたままだった。ドアを開けて部屋に転がりこみ、ソファーの上の携帯をひっつかむ


「あの、おねーさん」

「ぎゃー!?」

「おわ びびった」

「、動いて、喋っ…ええええ!!」


振り向いたらさっきまで意識昏倒していたはずの赤髪男が部屋にいた。

電話を握り締めたままテンパっている私を見て、何やら彼もわたわたしだした