「みさきさーん、でっきったっぜっ」
「はやっ」
そそくさと丼を運ぶ彼を手招き、小さなテーブルに顔をつきあわせて座った
「「いただきます。」」
スプーンで掬ってほかほかのそれを口に運ぶ。
「うわっ、すごい美味しい」
「うわっ、て何さ。てゆか美味しいん?良かったー」
偏見かもしれないが、普通の男子高校生はこんなに料理が上手くはない。と思う。
こんな素性のわからない子に興味を持つべきでないとは解っているけれど、彼の独特な雰囲気に段々惹かれている自分がいた。
「本当に料理すきなんだね?」
「ん?ん…得意だけど…そうだね、好きっちゃ好き?」
「よくやるんだ?」
「まーね。ほぼひとり暮らしだし」
「へー」
帰るところがない。
昨夜確かに彼はそう言っていた。今の言い方なら帰る家くらいありそうだけど?
やっぱウソだったのかな

