an alley cat

「やぁっと帰ってきたー!山川話長すぎだから~」




職員室から教室へと帰ってきた私を待っていたのは、右手に雑誌、左手にお菓子を持っている華夜ちゃん。


「ごめんね、あれ?安奈ちゃんと千夏ちゃんは?」


私が職員室に行く前まではいたんだけど・・・



私は首を傾げながら華夜ちゃんの横に腰を下ろすと、


「あぁ、千夏は彼氏んとこで、安奈は呼び出し~」



と、華夜ちゃんはニヤニヤと笑みをこぼしながら、窓の外を見ながら言った。


「呼び出しって委員会か何かの?」


千夏ちゃんは分かるとして、安奈ちゃんのことが気になった私は再度華夜ちゃんに尋ねる。


「違う違う!D組の古森とかって男子にだよ」


そして、「きっと、こ・く・は・くだと思うんだ♪」と、耳打ちしてきた。


「へぇ・・・、え!?」

「驚くとこ?」



―そりゃ、安奈ちゃんは美人だけど・・・



「そいつ、性格いいらしいけど・・・顔はイマイチ、かな」


華夜ちゃんは袋を破って飴を口の中へ放った。



「か、顔は関係ないのでは・・・」


私は内心ドキドキしながら、今頃安奈ちゃんはどこにいるんだろう、と気になって仕方なかった。