「悪い~遅れた!」


「「「「「「いっせーのっ!!」」」」」」

冬真くんが言葉を発したと同時に、みんなが叫ぶ。




―そして・・・。



―パアァンッ!パン!パンッ


「ようこそ!3-Cへっ!」



大きな爆発音のような音と、千夏ちゃんの大きな声が響き渡る。




「・・・・・え?」



私は今、ここで何が起こっているのかがよく理解できず、横で笑っている冬真くんを見上げた。


「花見の本当の目的は、“黒田を歓迎する会”だったり!」



と、私を前にぐいっと押し出した。



「わ、私の?」


「あぁ、何か一言言う?」


―冬真くんの笑顔が、歪んでちゃんと見えないよ・・・。




「うぃ~黒田ー!何か一言言え~っ!」

「くーろだっ!くーろだっ!」

「黙れ男子」

「ののー泣くなぁ~」



みんなの、声が。






―温かい。





なんて、この人達は温かいんだろう・・・。





「ほら、黒田」




ポンと背中を叩かれて、私は涙を堪えながら、真っ直ぐに前を向いた。










「・・・あり、がとう」





その言葉しか、出なかった。




私の心に今ある「気持ち」。





―この「気持ち」って、






人間になったからこそ、知る事ができたのかな。













「よっしゃーみんな盛り上がんぞぉっ!」





冬真くんが大声で叫ぶと、みんなも笑顔で頷いた。







―ありがとう。










ここにいる、みんな。