「私ですか、えーと山田花子です。」と言った。馬鹿にしてると思い

「じゃ俺は山田太郎たな。鈴木太郎でもいいし、田中太郎でもいいぜ。」
この子は名前も教えくれないのか、別にケータイの番号を教えて欲しいと言ったんじゃない。


「あげるから、もう帰るよ。」もう家に帰りたいと思った。少し可愛いから期待したのか?寂しいから?なんだか眠たくなった。その子から逃げ出すように自転車に乗って帰った。

自転車を立ちコギしながら、暗く星も輝かない川越の空に月を探したが見つからない。仮に月を見つけても触ることはできない月に手をのばしたいと思った。