店じまいまで待って、二人でタクシーに乗ると、りゅうちゃんが
「道玄坂。」
と家とは違う地名を告げる。

運転手の目も気にせず。キスをする。胸元から手を。
「…りゅうちゃんっ。」
恥ずかしいけど嫌じゃない。
ちらちらと濃い雰囲気の後部座席を運転手が鏡で盗み見る。